伝津守国冬筆。
『拾葉集』巻十六断簡(国宝 『大手鑑』)。
津守国冬(1270~1320)は国助の子で摂津住吉社の神主の家に生まれ、弘安八年に権神主、永仁七年に神主となり、従四位上左近将監に任ぜられ、後宇多天皇の北面の武士となった人物である。
他に国冬筆と伝える「伊勢切」(続拾遺集)があるが、本図は『拾葉集』である。
書名は知られているが内容は不明で、この一葉のみが遺存する。
もと冊子本で雁皮質の料紙が用いられている。
手鑑には子の国夏と伝える「長尾切」『続拾遺集』などとともに収録されている。
いずれも鎌倉末期の書写になるものと考えられる。
【寸法】本紙縦23.3 横15.9
【所蔵】陽明文庫