明代。
名物裂。
名称は秀吉の家臣青木法印重直によるとも、同家臣青木紀伊守一矩によるとも伝えるが、重直と一矩が同一人か否かは詳らかでない。
この名称を有する裂は種類が多く、一概にこれが本歌とはいえない。
薄藍地と薄黄茶地に大きく織り分け、薄藍地には藍・黄の縦縞に白の横縞を入れて格子とし、薄黄茶地には藍と茶で細い縦縞を織り出し、浮緯を使って真田風の打ち込みをしている。
花色・黄・薄茶・茶・白を一組とする太めの縦縞間道を青木間道と呼ぶこともあるが、これはむしろ小松間道の名称で区別している。
『古今名物類聚』所載の裂が大名物 「志野丸壺茶入」に用いられている。
【所蔵】前田育徳会
