煙寺晩鐘図 えんじばんしょうず

煙寺晩鐘図
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
煙寺晩鐘図
煙寺晩鐘図

牧谿筆。
国宝。
瀟湘八景図の内。
牧谿の山水は、実景に意を得たものだが、胸中あふれんばかりの詩情を画筆に託して吐露表現したもので、それは心中に展開する理想郷であった。
画中にあって雨や風の音はかえって静寂を増す。
自然現象の中に存在する音を絵にするとき、自然の姿が変貌し芸術としての形をもつの る。
鐘声のあるなしで風景が変わることはないが、鐘声によって詩情が動くとすれば、その情麺は画中に再現されるはずである。
牧谿は鐘声を絵にし、これを鑑賞者に伝えることに成功したのである。
絵から鐘声を感じるのは、東洋的美意識による。
【寸法】全体-縦137.5 横116.9 画面 縦32.8 横104.2

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