烏丸切 からすまるぎれ

烏丸切
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鶴田 純久の章 お話
烏丸切
烏丸切

伝藤原定頼筆。
『後撰集』巻三断簡(手鑑『谷水帖』)。
もと烏丸光広 (1579~1638)が愛蔵していたのでこの称があるが、「右近切」ともいい、公任筆の伝承となっている。
四ッ半の雁皮質の料紙が用いられ、表裏に金銀砂子を撒いた粘葉装の冊子本であった。
同筆のものに『西本願寺本三十六人集』の『元真集』、伝定頼筆「下絵歌集切」があり、元永頃の書写になるものと思われる。
現存するのは『後撰集』上巻のみで、力強い骨法を踏まえた書風であり、終始一貫した運筆で、ともすればくずれがちな当時の仮名に次時代の新風を吹き込んだ能書といえる。
【寸法】本紙縦21.0 横17.3
【所蔵】逸翁美術館

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