
伝来
三井家
寸法
高サ5.4cm
口径5.6cm
胴径6.6cm
底径4.4cm
重サ120g
交趾香合は、色彩と形がおもしろかったがために、案外数多くとりあげられ、この香合も番付の前頭の上位にかかげられている。
しかもそれは、「総黄」ととくに記入しているが、この香合は黄色ではなくて紫色で、総体は青色である。
筆者も同形のものは六個見た。しかしいずれもが一様に紫色で、いまだ黄釉の蟹に遭遇したことはない。
しかし番付にはあきらかに「総黄」と注記しているのであるから、必ずどこかに存在したのであろう。ぜひとも一見したいものと思う。
この香合は、総形に貫禄をしめして、まことによき香合である。
菊花に蟹を配して華甲と称する画題によってできた形であろう。
平瀬露香の箱書と拝見するが、平瀬露香がいかにこの種の香合に愛着をもっていたか想像にかたくない。現に三井家に蔵されている。

交趾松笠
彩釉いろいろあり 型替りもあり 参考品



